天先そらさき 案内人ブログ

仏像制作を中心に作(創)ること、幸せに生きることを綴ります

白衣観音 本体と台座固定

カテゴリ:販売作品

白衣観音の本体と台座を固定する作業です。下方にインスタの写真がありますのでご覧ください。この溝を足ほぞと呼びます。足ほぞは、足の裏に収まるような位置と大きさで彫るのが本来のやり方らしいのですが、心配性な私は「足先の厚みの少ない所で深く彫って飛びぬけちゃったらどうしよう」なんて、あり得ない心配をして後ろへずらしております。幅3mmの平刀曲がりを使って彫っています。穴が小さいため、あまり深くは彫れません...

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中宮寺菩薩半跏像 ひとまず完成

カテゴリ:習作

やっと光背まで出来ました。ひとまず、というのは光背の高さがまだ要調整だからです。なかなか思い通りにならないので疲れちゃって、もう作品展はこのまま出します。最後の1枚は、彫刻しない人には何の価値もないのですが、これを彫りたい人にとってはものすごく貴重な角度です。出版物の仏像写真もこの角度を入れてくれたら彫りやすくなるのにな。作り始めたのが2019年秋。3年近くかかりましたね。私の日常が大きく揺れた時期でし...

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中宮寺菩薩半跏像 光背で悩む

カテゴリ:習作

残すは光背だけ、となった中宮寺の伝・如意輪観音。「伝」というのは、分類条件としては如意輪観音に当てはまらないのだけどお寺などには如意輪観音と伝わっていて(何かに書かれていたり)、かつ、その分類方法の基礎となる時代より古い像であるから分類に当てはまらなくてもある意味当然、というような意味です。また、台座に腰かけて片足を組んでいる姿を半跏像と呼んでいるようです。広隆寺の弥勒菩薩が有名ですね。仏さまの種...

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中宮寺菩薩半跏像 足元の蓮 完成

カテゴリ:習作

菩薩さんの浮いた足を支える蓮の話続き。蓮自体はすぐできたんですが、どうやって固定するかでずーっと悩んでいました。仏像仲間にアイデアをもらったり、あれやこれやそれや散々考えて、結局一番原始的というか基礎的というかひねりのない方法を取りました。3mmの隙間に穴開け穴を開けた位置を見てもらえば分かるんですけど、とにかくスペースが狭いんです。ほんのちょっとずれたら台座が破れます。蓮の先をとがらせて差し込んで...

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中宮寺菩薩半跏像 足元の蓮台

カテゴリ:習作

木材の都合で台座へ直接足を付けようと思って作ったのですが、台座ができてみたら1cmほど足が浮いていました。ここから1cm台座の中央を彫り下げて全体調整するのも大変なので、本物に倣い足下へ蓮の台を付けることに。こういう小さい物は長いまま彫り出して、最後に切り離します。最初に小さく切り出してしまうと彫るのが大変。左手で固定できるサイズにして作業を進めます。端材の都合でこんな感じとなりましたができればもっと(...

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中宮寺菩薩半跏像の光背

カテゴリ:習作

中宮寺の如意輪観音像は、本体が完成、台座もほぼ完成して仕上げ待ち(台座下に足を付けるとなればもう一作業)、光背を造り始めるところです。光背は正面からの写真1枚しかなくて分からなかったのですが、先生によればこの菩薩さんの光背は後ろが真っすぐ平らなのだそうで。普通は後ろから前に向かって少し丸みをつけます。厚みは微妙なカーブを描く結構薄くしないといけない。写真は横から見た図です。この材が厚さ1㎝ないくらい...

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日本一大きな千手観音と材料費の話

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

焼津市にとても大きな千手観音があります。しかも拝観無料。どのくらい大きいかは下記参照。大覺寺全珠院HPの写真にも大きさが分かる写真があります。この大きさとなると木材も大きなもの(=古木)を複数本継がなければいけません。樹齢300~400年の木曽ヒノキ木材だけで1000万円とか聞きました。何年か前に、仏像彫刻仲間と見に行ったのです。2階に立って見てもお顔が正面にあるくらい、大きな観音様でした。これだけ大きいと製...

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手に負荷をかけず粗彫りする方法

カテゴリ:習作

ゆずのことで書きそびれていましたが、中宮寺菩薩半跏像は既に本体が仕上り、台座制作に入りました。元は四角の木材を円形にして久々の粗彫りです。堅い部分を手作業で削ると手が痛くなりますので、私は肩で彫刻刀を押すようにして削ります。彫刻刀の柄の先端を鎖骨の下辺りへしっかり当てて、手で彫刻刀を動かすのと同時に肩でグッと押します。使うのは18㎜浅丸や12㎜平ノミ。もっと大きな物を作る人は刀の幅も大きいですよ。腕だ...

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中宮寺菩薩半跏像 仕上げの手前

カテゴリ:習作

やっと手の造作に見通しが立ちました。特に頬へ添えた右手。これはやっぱり難しかった…。先生にずっと聞きっぱなし。いちいち全部見てもらって直してもらって、やっとこさまともな形になりました。中宮寺より拝借 菩薩半跏像本物手足の先が本当はもっと細いのです。が、私が作っている小さなサイズでこれ以上細くすると欠けてしまいそうなので、これはもうこれで良しとします。指の角度も思った通りにはならなかったけどこれも自分...

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小地蔵さんの交換用座布団は有料になります

カテゴリ:SHOPのあれこれ

まだはっきりした時期は決めてないのですが、小地蔵さん用座布団がいずれ有料になる予定です。こまりちゃんは座布団が元々付いているので色が変わっても追加料金は無し。ただし、こまりちゃんの付属品が変わるか値段が変わるかもしれません。敷物にまつわるあれこれを思い出しました。まずは、なぜ台座や座布団を標準装備にしたのか。仏さまは清らかな存在であり、この浮世へ敷物無しに直で足を着けさせるのは失礼にあたると仏像彫...

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