天先そらさき 案内人ブログ

仏像制作を中心に作(創)ること、幸せに生きることを綴ります

仏像彫刻を選んだのは

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

前にも書いた気がするんですけど、改めて、仏像彫刻を始めるきっかけなど書いてみようと思います。もう10年以上前の話。当時、自分の中で何かが一段落した感があり、何か趣味を始めてみようと思いました。さて、何をやろうかと考えました。やってみたいと思ったのは木彫りか乗馬。小学生の時に図工で人の顔を作ったことがあるんです。角材を使って。それがうまくできなくて、いつかもう1度やり直したいと思っていました。だから人...

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日本一大きな千手観音と材料費の話

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

焼津市にとても大きな千手観音があります。しかも拝観無料。どのくらい大きいかは下記参照。大覺寺全珠院HPの写真にも大きさが分かる写真があります。この大きさとなると木材も大きなもの(=古木)を複数本継がなければいけません。樹齢300~400年の木曽ヒノキ木材だけで1000万円とか聞きました。何年か前に、仏像彫刻仲間と見に行ったのです。2階に立って見てもお顔が正面にあるくらい、大きな観音様でした。これだけ大きいと製...

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立体は難しい

カテゴリ:習作

今更ながらですけど、立体を造るのって難しいんです。もちろん反復練習によって誰でもできるようになることなんですが、最初の頃は一人でそれをやるのがとっても難しい。空間認識のイメージをつかむようになるまでが私は大変でした。前後左右4枚の図から立体を起こしていくことは、慣れるまで頭が混乱します。左右の図を、正面で見た時の奥行きとして認識できるようになるまでが。その工程を理解して自力で作業できるようになると...

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手塚アニメの中の観音さま2

カテゴリ:雑記

先日、「どろろ」に出てくる白衣観音について書きましたが、それとは別の観音像で気付いたことがありました。それは主人公・百鬼丸の母が拝んでいる首のない観音様。赤ちゃんを抱いているから子安観音かな?首が落ちる前のお顔が、「第十三話 白面不動の巻」に出てくる仏師の彫る菩薩の顔と同じでした。白衣観音とは姿を描き分けてあるので、意図してこのお顔に描いたものと思われます。こうして並べてみるとよくわかります。上が...

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宗雲先生の観音様と羅漢像

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

先日から紹介している大和宗雲先生の作品、この作品展でじっくり観ることができました。羅漢像は普段の先生の作風とは違いますが、ある種の人間臭さや激しさ、強さなどひしひしと感じました。ドラマのテーマなんでしょうかね。どんなところを見ているかというと、例えば指先の反り返り方とか、お腹周りの肉付きの表現とか。ニッチです。現実世界ではあまり歓迎したくないお腹のお肉ですが、仏像はお腹ぽってりが美とされておりまし...

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菩薩と如来の違い 菩薩を仏と呼んでいいのか?

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

仏像彫刻仲間から教えてもらった知識と、NHK Eテレの「心の時代〜宗教・人生〜」で見た情報を基に書いています。仏さまと言われる仏教上の存在には以下の4種類があるとHPで書きました。如来:悟りを開いて仏となった者。例:阿弥陀如来、大日如来菩薩:仏修行中の者。例:観音菩薩、地蔵菩薩明王:如来の化身で、恐い顔で魔を追い払う。例:不動明王天:異教の神様出身の者。例:弁才天でね、よく見るとお地蔵さんや観音さんといっ...

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古い仏像修復過程

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

仏師の宮本我休さんが江戸時代の仏像を修復する過程を掲載していらっしゃいます。なかなか目にする事のない部分ですからすごーく貴重な情報。いやもう、すごいの一言です。どれほど神経を使うことか。作られた当時の仏師に敬意を払いながら美しさを蘇らせる。私が教室で教えていただいている大和宗雲先生もこういう作業をされてきたんだろうなと思ったら、先生への敬意が増しました。いえね、宗雲先生って教室では人間臭い楽しい話...

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同好会ロビー展始まりました

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

生涯学習センターロビーにて20日間、常設展示となっております。開館時ならいつでも見られます。各作品の写真は後ほど同好会のブログにUPします。私の出展作品は5年以上前に彫った6寸の地蔵菩薩立像と白衣観音です。白衣観音はプロフィールに使っている写真のものです。5月8日は同好会活動日でセンターに集合していますので同好会に興味のある方は気軽に見学していってください。【仏像を彫る会 ロビー展 2021】会場:静岡市西部生...

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菩薩と如来 装飾の有る無し

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

同好会でもたまにそんな話が出たりするし、前に何かでも読みました。修行を終え仏となった如来はもはや己を飾る物は必要ない。従って如来は装飾無し。他方、まだ修行の最中である菩薩は人と同じように装飾品を身に付けている(持物とは別の話です)。菩薩の代表が地蔵さんや観音さんで、彼らは首飾りやら宝冠やらを身に付けています。人であった頃の名残なのでしょうか?対して、如来の代表である阿弥陀さんは確かに衣だけで飾りは...

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若狭歴史博物館と1000本の手を持つ仏像

カテゴリ:仏像彫刻周辺の話

これが京都にあれば高い拝観料を払って人混みでごった返す中を、遠巻きに眺めなくちゃいけないんだろうな。福井県若狭地方(小浜市や若狭町)で仏像を見ると、京都の仏像が気の毒になります。滋賀県長浜市の仏像は有名になりましたが若狭の仏像も素晴らしいですよ。その中でも、小浜市にある若狭歴史博物館の仏像展示はお気に入り。去年も行きました。半分は復刻像ですが半分は本物の千年前の仏像を生で間近で見ることができます。...

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