仏像制作を中心に作(創)ることを綴ります

大井川ヒノキ

2015/07/05
SHOPのあれこれ

縁あって島田市(金谷)の落合製材さんから建材の端切れを譲っていただき、小地蔵さんを試作しました。

仏像彫刻材には木曽ヒノキが最高と言われており、仏像彫刻用の材は建材よりもかなり条件が厳しいという印象を持っています。先輩たちも「建材のヒノキは仏像彫刻材としては堅い(彫りにくい)」との評価。「建材はやめとけ」と聞いています。

私はそれほど多くの材を使ったことがないので比較は難しいのですがこの大井川ヒノキ材は、練習用の木曽ヒノキ材と彫りやすさは変わらないように感じます。確かに木曽ヒノキと比べたら木目は粗いものの、でも十分柔らかく、木肌もきれいで程よい粘りがあり、とても素直な彫りやすい材だと思いました。大井川流域は良質なヒノキが採れると落合さんがおっしゃっていたとおり、気候の良い静岡県でまっすぐ育ったのでしょうね。

あとは時間が経ったときの状態がどうか、でしょうか。それも時間をかけてしっかり乾燥させているとのことなので、大丈夫じゃないかな。

落合製材さんは建材として使えない小さな端切れを積み木に加工して子供たちへ遊びを提供する活動をされており、大切に育て加工した木を可能な限り使い切ることを意識されていて、木や自然に対する敬意と愛情を感じます。私が譲ってもらった廃材も捨てるのではなく薪ストーブの燃料になるものでした。
大井川ひのきの端材

うまくいけば4体分採れそうですが割れ等により2体分しか採れないことの方が多いです。場合によっては1体のみ。

向かって右側の樹皮に近い部分(白太)は仏像彫刻には使いません。何百年も残る仏像には、より虫がつかず腐りにくい赤身部分を使うそうです。が、小地蔵さん用の雲座なら白太も使えるかなと考えています。白太も普通に建材として使われているくらいだから水のかからない場所に置くなり、「数百年」を視野に入れなければ大丈夫だと思うのですよ。支障のない範囲で、使える部分は全て使ってあげたい。

廃材の利用は木取りまでに手間ひまがかかるし、私にはまだ材を見極める知識も経験もないので今後失敗することもあるでしょう。最初から仏像彫刻用として用意された材を使う方が安心で簡単です。それでもこれはやってみる価値があると思いました。廃材と言ってもこだわりの建材に加工した端切れだから質の良い木材です。ストーブで燃える前に中の仏さんにはもう一仕事してもらいましょう。

卓上スライド丸ノコが欲しいな…。

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