仏像制作を中心に作(創)ることを綴ります

雄大な視点

2016/01/29
習作

教室で、台座について先生が解説をしてくれました。蓮華座と反り花の向きについて。どちらも木目を左右に見た状態が正面です。
台座の木目

「木材に詳しい人だと木目を十字に組み合わせたくなるだろうけど、両方とも横が正しい位置だからね」
十字に組み合わせると強度が増すんですか。知らなかった。

木目を同じ向きにしておけば数百年経ってから修理のため外しても壊れにくいから、というのが理由だそうです。数十年後ではなく、数百年後まで視野に入れた作り方をしているのが仏像。そうやって長い時間を師から弟子へとつながれてきたのでしょう。

なんと雄大な世界だろうと思いました。自分が生きているこの時代だけでなく、もっと遠い遥かな未来を思い描いているなんて。その悠久な時間軸は優雅ですらあります。今の日本人は3秒ですら待てない人が増えているのに。社会そのものが「今すぐ」「実利のある」結果を求める時代です。ああ、なんてせせこましい。自分もそうなる時があるから尚更嫌だ。

私の作る物は数十年後には無くなってしまっているでしょうけれども、この心の雄大さは持っていたいと思ったのでした。

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