仏像制作を中心に作(創)ることを綴ります

下剋上

2017/02/24
小地蔵さん

ペットを飼う友人との間で、苦笑いしながら使う言葉が「下剋上」です。何かというと、年若い個体が年老いた個体より先に逝ってしまう事。下剋上本来の意味とは全く違うのですがひっくり返る感じを表現しています。例えば12歳の犬を差し置いて5歳の犬が先に死んでしまったり。予想外のことに加え、大抵は早い展開で逝ってしまいます。飼い主としてはひどくショックを受けます。

動物であってもそうなのだからこれが人間の我が子となれば、その痛みは想像を絶することでしょう。
亡き子のための小地蔵さん

幼い子供を亡くした友人知人が複数います。また、亡き祖母は長男(私の父50代で死去)・次男(60代で死去)に先立たれたことを死ぬまで嘆いておりました。101歳などと長生きをしてしまったものだから、嘆く時間も長くて辛かったでしょう。

仏像彫刻教室で、娘さんとお孫さんを亡くした方の彫った飛天には赤子が抱かれていました。そこに至るまでの十数年、その穏やかで優しい笑顔の奥でどれほどの慟哭を乗り越えてきたのだろう…とその道のりに思いを馳せました。

親が先であれば気持ちの持って行きようもあります。私なんかは、80代の母については「もう年だし順番だから」と納得しているし、若かった父の時はその死に対して抵抗もしましたがそれで死が覆るわけではなくただ自分が苦しいだけなので、少しずつ折り合いをつけていきました。時期は早かったけれども順番通り、というのが救いです。ですが、逆順だったら受け入れることは非常に大変だと思うのです。

先日いただいたオーダーメイドのご注文はそんな哀しみに関することでした。リクエストに応えられただろうか、発送前に完成品の写真は見ていただいているものの実物を気に入っていただけるかな、そんなハラハラドキドキを抱えつつ送り出しました。

送り出す際、小地蔵さんに「○○さんをよろしくね」と唱えたら「あいよ!」と答えてくれたような気がしました。小地蔵さん、新しい家族のために一生懸命働いてくださいよ。ご家族の心が少しでも楽になりますように。

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